「独学」のリターンを、最大化するためには?“学びのテーマ”を14個、洗い出してみました

「知らなかったことを、知る」ことが小さな頃からが好きで、仕事柄(マーケティングやコンサルティング)もあって、大人になってからも「学ぶ」ことには人一倍時間をかけてきました。

その学び方ですが、「誰かが話すのを、黙って聞く」のが得意ではない、という性格もあって(汗)、またマニアックな分野を学ぶことも多いので、「スクールに通う」や「勉強会を開く」といった方法よりは、「本を読む」「WEBで調べる」といった“独学”のアプローチを主にとってきました。

そんな独学の費用対効果を高めるために、有用に思える本に出会ったことと、その本をもとに自分自身の「学びのテーマ」を洗い出してみたので、恥ずかしさもありつつさらしてみます。

「独学の戦略」づくりでまず定めるべきは、「学びのテーマ」

読んだのは、知的戦闘力を高める 独学の技法(山口周)という本でした。

「効率的に知識を引き出せるシステムを作る(脳の外部化)」や「なぜ教養を身に付けるのが大事か?」など、いろいろ目から鱗だったのですが・・
なかでも考えさせられたのが、(既存の「ジャンル」ではなくて)自分が追求したい「テーマ」に方向性を持つのが大事とのこと。

・ジャンル:コンテンツの分類科目のこと。
 (例)「心理学」「歴史」「文学」など

・テーマ:自分が追求したい「論点」のこと。
 (例)「イノベーションが起こる組織とは、どのようなものか?」「美意識はリーダーシップをどう向上させるのか?」など

独学の戦略を立てるというと、「どのジャンルを学ぶか」を考えてしまいがちですが、これをやってしまうといつまでたっても「知的戦闘力」は上がりません。
なぜかというと、ジャンルに沿って勉強をするということは、すでに誰かが体系化した知識の枠組みに沿って勉強するということですから、その人ならではの洞察や示唆が得られにくいのです。

まさしく!ということで、僕自身も「学びのテーマ」を書き出してみました。

心にモヤモヤとあったテーマを、書き出してみると・・・

モヤモヤと心の中で考えていたことを、ザーッと勢いに任せて吐き出してみたのですが・・
ざっと、14のテーマ(1つの箇条書きに、複数の問いが含まれているのもありますが)が見つかりました。

1. マーケティング(ファンドレイジング含む)

・「物語消費」「つながり消費」へのシフトと呼ばれているけど、具体的にどう起こるのか?変化にともない、従来のダイレクトマーケティング(特に単品通販的)のどこが機能し続けて、何が機能しなくなるのか?

・定期通販(サブスクリション/月額課金)モデルで、収益最大化のためのキーファクター。なぜ人は「お金を出し続ける」「金額を増やす」のか?データで仮説抽出&実証するためには、どのような体系をつくっていけばよいのか?

・決済や通貨などテクノロジーの進歩で、近い未来にお金の流れはどのように変わっていくのか?それは「寄付」という行動にどう影響するのか?

・寄付など「利他」の行動は、人間心理にどう働きかければ、引き起こせるのか?利他行動を幸福度に変換するためには、どこがツボなのか?

・アメリカの伝統的なファンドレイジングの体系を、まず知りたい。そして時代の変化にともない、どのように変わっていくのか?日本やアジアに当てはめた時に有効なモデルは?

2. ビジネス・経営全般

・持続的に発展していく組織の特長は?特に模倣しにくい競争優位である、企業文化のあり方。(=経営学・組織論)それは、外部からどうやって識別できるのか?(=株式投資)

先行投資が必要なビジネスモデルで、必要なリソースを確保するには?(ファイナンスや人材採用)CPA・LTVモデルを、異なる文化圏で経営的な意思決定に馴染ませるには?

・マーケティングが有効に機能するチームのあり方。先天的な志向や能力を、人材配置にどう活かすのか?仮説検証やデータドリブンの仕事の進め方を、どう根付かせるか?

・個別の最適解である「戦略」を、収益モデルや組織文化、時代背景などから、どう導き出すのか?そして戦略にもとづいて、施策を取捨選択したり、ルーティン業務をリデザインしていくにあたっての考え方

3. ライフ

・人生100年時代に、80歳過ぎても健康に働けるために、どんな習慣を実践していけばよいのか?(食事・睡眠・運動・人間関係etc)特に、知的パフォーマンスを最大化させるためには?

・場所や時間、組織にとらわれない働き方を、具体的にどう実践していけばよいか?LifeHackやデジタルツールから、経理税務に営業、住まいまで。

・右脳的な能力(感性・センス系)は、後天的に高められるのか?子どもの成長と合わせて、実験していきたい(絵、料理、音楽など)

・2020年以降の日本社会は、どう変化するのか?過去の歴史に、構造が類似しているような変化の節目の事例は?(不確実な未来をどう進むか決めていくうえで、「いつか見た景色」のオプションを、疑似体験でも増やしていきたい)

・自分のリソース(時間・お金・アテンション)を、今後10年くらい、どう最適配分していくか?日本という国の未来から、家族(妻・子ども・親)の時間制約まで、異なるレイヤーの条件を総合して、どうリスク分散と集中をバランスさせるか?

最近読んだ歴史の本(歴史を学ぶことで、今の「当たり前」を俯瞰的に見られるようになりたい)

「問い」を解いていくのを楽しみながら、人生を実験していく

他にも、大小合わせるといろいろ出てくると思いますが、いったんこんなところで。
書き出しているうちに気づいたのですが、「知りたいこと」はたくさんあるんだな!ということ。

うまく言語化できずに、途中で苦しかったりもしましたが、モヤモヤとした日々の思考を見える化できてスッキリした気分です。
(という気分もあって、ブログにまとめてしまいました。)

特に知りたいことがシャープになって、インプットしていく方向性の感度が高まった気(あくまで気ですが)がします。
同書によると、「入れない情報を決める」のが大事とのこと。

現在は情報がオーバーフローの状態にあるので、システムのボトルネックはインプットされる情報よりもそれを抽象化・構造化する処理能力のキャパシティにあります。
つまり、いたずらにインプットを増やすよりも、将来の知的生産につながる「スジの良いインプット」の純度をどれくらい高められるかがポイントとなるわけで、分かりやすくいえば「量よりも密度が重要になる」ということです。

だからこそ、「テーマ」を設定して、そのテーマに沿ったインプットを意識するのが大事とのこと。

というわけで、同じく独学を頑張られている方にも、学びのテーマを書き出してみること、オススメです!
私もざっと洗い出しただけで、いささか散漫な気もするので、もう少しブラッシュアップいていきたいです。

これらのテーマのなかには、まさに直面している課題もあるし、近い将来に取り組んでいきたい構想もあったりですが。
日々の仕事や生活のなかで、↑の問いを意識しながら、インプットやアウトプットを繰り返していこうと思います。
(「遊・学・働」の一致という、僕が就活していた頃にリンクアンドモチベーション社で聞いた考え方が、好きでした。)

学んだり実践したりで問いを解いていくのを楽しみに、人生を実験していきたい!です。

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