フリーランスとして独立したのを機に、東京都から神奈川県藤沢市に引っ越しました。
マーケティングの企画を立てたり、コピーを書いたりといった仕事が主なので、週に3〜4回は自宅や近くのカフェで仕事をして、同じく週に2〜3回くらいは仕事の打合せや友人に会うためなどで1時間半ほどかけて東京に行っています。
僕が32年間住み続けた東京を離れるという考えを実行に移せたのも、この本を読んだのがきっかけだったかもしれません。
著者の本田直之さんは「レバレッジ・リーディング」など、レバレッジシリーズで有名な作家。
ハワイと東京の2拠点を行き来しながら、作家業や講演のほか、コンサルティング会社の経営を手がけるノマドワーカーです。
彼がノマドライフについて話をすると、「ぜひやってみたい」という人がいる一方で、「無理だ」という反応も起こるそうです。
ノマドライフには、「お金がかかる」イメージがあるというのです。
実際には、東京で働いていた方が、同じ仕事をITを使って都市部を離れて行えるようになると、むしろ可処分所得は高まります。
たとえば、東京に本社がある企業で地方支社に勤務しているビジネスパーソンは、そのメリットに既に気づいていると言います。
住居費や食費などの生活費を低コストに抑えることができ、リーズナブルに生きられる場所に住みながら、本社がある首都圏と同じ給与体系で働いているということです。
わかりやすくいえば、入ってくるお金は都心並みに高く、生活費は地方並みに低い。
単純に差し引きすれば、可処分所得が増します。
ポイントは、地方にいながら都心の仕事をするということ。
地方に住んで地方の仕事をすると、物価に合わせてそれなりに収入も低くなってしまいますが、地方に住んで都心の仕事をすれば、収入はそのままでコストメリットを享受できるのです。
このような考え方を、彼は「アフォーダブル・ロケーション」(affordable location)と名付けて提唱しています。
私の場合も、家賃は東京にいたときより抑えられ、都内で同じ物件を借りたと想定したときの半分くらいの水準で済んでいます。
(東京への移動のため、交通費が2〜3万円増えたので、家賃の減少幅が若干相殺されてしまいますが。)
これは、グローバル企業が人件費の安い国に生産拠点を移し、物価が高い国で販売して利益を出そうとする取り組みと同じです。
生産コストが生じるビジネスは物価の安い場所を選び、収入を得るビジネスは物価の高い場所を選ぶ。
企業はこうして利益を大きくしています。
テクノロジーの進化により、個人でも同じことができる時代になったのです。
私は、「勤め人ではなくなり毎日出勤する必要がないから、東京に住むは必要ない!」というのと、「自然が豊かな場所の方が、クリエイティビティも高まるはず!」という理由で東京を離れることにしました。
かと言って、東京にあるクライアント企業を訪問して、顔を合わせて打合せをするのもやはり必要なので、東京から離れすぎるのは難しいなと。
東京に1〜2時間で出てこれるけど、少しのんびりしたところを探しました。
学生時代にビーチラグビーというスポーツをしていたこともあり、「いつかは海の近くに住みたい」という願望をずっと持っていたので、湘南藤沢に落ち着いたしだいです。
家から10分も歩けば、こんなビーチにたどり着きます!
ちなみに最近では、たとえば都心の企業に勤務していても自宅は海の近くの郊外にもち、平日は会社の近くに小さなアパートを借りて生活する、「デュアルライフ」をするというスタイルを実践する方も出てきているそう。
こうすると通勤のストレスもないし、週末には快適なライフスタイルを満喫できるのです。
地価や生活費が高騰するいっぽうの都心にとらわれず、住宅事情が良い地方に目を向ければ、新しい発見があります。
ほかに家を持つというと「お金持ちの別荘か」と思うかもしれませんが、別荘という考え方そのものが、旧来型の発想です。
北欧のサマーハウスと同じで、質素なものでいい。自分の好きなライフスタイルをつくるためのもう一つの拠点になるなら、それで十分です。
自分が住む場所を規定しているのは、実はほかでもない。自分自身なのです。
私の場合も、子どもが大きくなったときには、もう少し自然が豊かなところで生活できたらなという想いもあります。
かと言って、今のように東京の企業からの受託がメインのビジネスモデルでは、東京を離れすぎるのは難しいのですが、いろいろな方法を考えていきたいと思います!